白馬亭にて [Im weißen Rössl]
Ralph.Benatzky

Seefestspiele Mörbisch [MAP]
(2008年 メルビッシュ湖水祭り)

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メルビッシュ湖水祭り (正式名称:Seespiele Mörbisch) は、1957年以来、毎年7月中旬から8月中旬にかけて、オーストリアのメルビッシュ・アム・ゼー [Mörbisch am See] で開催されている。 湖畔の舞台では、オペレッタ、ジングシュピール、ミュージカルが毎年上演されており、2008年に上演されたのが、この オペレッタ「白馬亭にて (Im weißen Rößl)」 である。
『白馬亭』は、ラルフ・ベナツキーロバート・シュトルツが他の作曲家や作家と共同で作曲したオペレッタであり、オーストリア北部の風光明媚なザルツカンマーグート地方を舞台としている。 舞台となるザルツカンマーグート ザンクト・ヴォルフガング [St. Wolfgang im Salzkammergut] は、オーストリア・ドイツ共に人気が高い避暑地で、実在する 「白馬亭」 のホテルロゴもそのまま登場する。

あらすじ

第1幕
ホテル・ツム・ヴァイセン・レッスルは繁忙期。従業員は大忙しで、給仕長レオポルドは不満げな客たちをなだめます(でも、紳士淑女の皆様、ここはただ居心地が良いだけです)。彼の魅力は上司のヨーゼファ・フォーゲルフーバーには通用せず、彼女に言い寄ってみます(あなたに愛されるなんて、なんて素晴らしいんでしょう)。しかし、彼女は彼を拒絶します。彼女はベルリンの弁護士で長年の常連客であるオットー・ジードラー博士に恋をしており、ジードラー博士は午後にホテルに泊まる予定で、ジードラー博士はジードラー博士を温かく迎えます(二重唱と合唱:ヴォルフガング湖畔のホワイトホース・インでは、幸せはすぐそこです)。彼の登場は、もう一人の客からも歓迎されない。製造業者のヴィルヘルム・ギーゼッケは、娘のオットーリー(「アールベックの方がいいわ!」)に勧められて休暇で来ただけで、ヨーゼファ(「ザルツカンマーグートなら楽しいことがたくさんあるわ」)からはあまりこの地域に魅力を感じていない。ギーゼッケと、彼の依頼人で宿敵のズルツハイマーとの訴訟に敗訴したのだ。しかし、娘のオットーリーはジードラーの誘いに屈する(「あなたの瞳を見つめると、世界は空色に染まる」)。第一幕は土砂降りの雨で終わる(合唱:ここで本当に雨が降るとき)。

第2幕
レオポルドはヨーゼファからの花束をジードラー博士の部屋に届けるのを拒否し、彼女に愛を告白する。二人は言い争い、レオポルドは解雇される(見ていられない)。一方、製造業者ズルツハイマーの息子も到着する。列車の中で舌足らずなクレルヒェンに恋をしたのだ(ジギスムントがあんなに美しいのに、どうしたらいいのだろう?)。

フランツ・ヨーゼフ1世皇帝も賓客として到着を告げたため、ヨーゼファは人員確保のためレオポルドを再雇用せざるを得なくなる。しかし、皇帝を出迎える時、事態は頂点に達しそうになる。ヨーゼファがジードラー博士の腕に抱かれて現れ、嫉妬に駆られたレオポルドは激怒する。皇帝がホテルに到着するや否や、レオポルドは泣き崩れる。

第3幕
皇帝はヨーゼファに話しかける。彼女の混乱を見抜いた皇帝は、夢を追い求めるのではなく、可能な範囲で満足するよう助言する(「人生で一度きりの出来事/誰もが同じ思いをしている/あなたがどれほど望んでいるもの/それはとても遠いところにある」)。ヨーゼファはレオポルドが自分を心から愛していることに気づき、昨日のスキャンダルを理由に再び彼を解雇したいという口実で、驚くべき条件を提示する。「ウェイターとしては解雇されたが、夫としては生涯の約束を交わした」

一方、ギーゼッケは娘をライバルの息子と結婚させようとしたが、娘は既にジードラー博士の求婚を受け入れていた(「私のラブソングはワルツで決まり」) 。さらに、ジギスムント・ズルツハイマーもクレルヒェンに求婚していた。気難しい工場主は、ズルツハイマーの申し出によってこの申し出を受け入れざるを得なくなった。この申し出は、この争いを解決しようとしたズルツハイマーの申し出によって、より一層喜ばしいものとなった。オペレッタは、 3組の幸せなカップルの喜びに満ちた歌(「笑顔でシャンパンを飲もう」)で幕を閉じる。