別れの歌 [Muß i denn zum Städtele hinaus]

ツィター奏者:アントーン・カラス [Anton Karas]
ドイツ・シュヴァーベン地方民謡


2024年5月31日(金)10:00をもちましてURLは下記の通り変更になります。
https://arisada.wjg.jp/deutschland/Muss_i_denn.html

『別れの歌』は、ドイツ民謡の中で「菩提樹」と並んで最もポピュラーな曲のひとで、ドイツ語歌詞 (下記参照) の1行目にある “Muß i denn” から『ムシデン』とも呼ばれている。 もともとは、ドイツ南西部にあるシュヴァーベン地方 (MAP) のシュヴァーベン語による民謡で、歌詞は兵士が愛する女性を後にして出征し、また故郷へ戻ってくる時には結婚しようという内容。 別説では、ドイツの伝統に従って職人修行に出るため、故郷を離れる若者が、恋人へ別れを告げる内容とも云われている。 別れや故郷を偲ぶ歌が多いドイツ民謡の中で、典型的な1曲となっている。 現在歌われているドイツ語の歌は、「ローレライ」なども作曲したフリードリヒ・ジルヒャー採譜*・編曲して1827年に発表している。 19世紀後半にドイツ軍の軍歌としても取り入れられるようになり、今でも海軍は出港の際に、この曲を演奏する。
アメリカ合衆国のエルヴィス・プレスリーが徴兵令を受けて陸軍に入隊し、西ドイツに駐屯 (1958〜 60) していた頃に、この曲が気に入り、帰国後の1960年に、レパートリーに取り入れた事によって、更に有名になった。 アメリカでの題名は、『 Wooden Heart』(邦題:さらば ふるさと)で、歌詞は、英語とドイツ語を混在させている。

ツィター奏者のアントーン・カラス [Anton Karas] は、オーストリアのツィター奏者であり作曲家。  映画『第三の男』のテーマ曲である “ ハリー・ライムのテーマ” の作曲と演奏を担当した事でも有名。

民謡など口承の歌を楽譜に書きとること。
ドイツ語歌詞 直訳
 Muß i' denn, muß i' denn
 Zum Städtele hinaus, Städtele hinaus,
 Und du, mein Schatz, bleibst hier.
 Wenn i' komm', wenn i' komm',
 Wenn i' wiederum komm', wiederum komm',
 Kehr i' ein, mein Schatz, bei dir.

 Kann i' auch net allweil bei dir sein,
 Han i' doch mein Freud' an dir.

 Wenn i' komm', wenn i' komm',
 Wenn I' wiederum komm', wiederum komm',
 Kehr i' ein, Mein Schatz, bei dir. 
 ぼくはどうしても どうしても
 この町から外へ出かけなければならない、
 いとしいきみをここに置いて。
 ぼくが帰ってくる時は、
 ぼくが再び帰ってくる時は、
 いとしいきみのところへ戻ってくるよ。

 きみといつも一緒にいられないけど、
 きみと一緒にいるのがぼくの喜び。

 ぼくが帰ってくる時は、
 ぼくが再び帰ってくる時は、
 いとしいきみのところへ戻ってくるよ。

home